昭和28年刊「板響神」より
ある人がわたくし、棟方はよく観音菩薩を描き、不動明王を描くが、今までの佛とは違っている。人の様な菩薩であったり、子供のような明王であったり、、明王なぞは笑っておるように見えて仕方がない。どんな心で描いているのですか、よく言われます。また大事な恩人から、不動明王を頼まれたので口髭を生やした不動さんを描いたらすっかり恐られました。
髭不動だから威厳があって、よかろうと思ったのですが、その方が噴出したそうです。
今までの佛さまを描く絵師は人に拝まれる佛さまを描きすぎたからでしょう。わたくしのは反対に人様を拝んでいる佛を描いているのです。
人の有難さを拝んでいる佛さまも世の中にあってよいと思います。
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「草野心平蛙と遊ぶ図」 1975年
以前から棟方志功と親交があり、「蛙の詩人」とも呼ばれていた草野心平が、病床の棟方志功を訪ねた時に制作された作品です。草野心平は「わだはゴッホになる」という詩を筆で書いたものを持って慈恵医大の病室を訪れた時のことを、次のように書いています。
「話が一寸とぎれると、棟方志功は机に向かい色紙に何か描き出した。何を描いているのだか分からないが、色がほどこされると男が現われ青蛙が現われ蓮の花がパッと咲いた。そして今度は草野心平蛙と遊ぶ図と書いた。」
「板極道」より
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裸婦図 天狗鋸・剣岳図
棟方志功は「油絵」が「板画」や「倭画」よりも一番楽しめるといっています。
キャンパスの上で、考えられないような速度で筆が縦横無尽に走ります。
筆を休めて考える間もなく作品は仕上がっています。
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